ライバー事務所からスカウトが来た。所属する前に、ひとつだけ確かめてほしいこと
「あなたの配信、見ました。よかったら、うちの事務所に所属しませんか」。
ある日、知らないアカウントから、そんなDMが届く。うれしい。でも、同じくらい、こわい。
「ライバー事務所 悪質」「ライバー 危ない」。そう検索して、ここに辿り着いた人もいると思う。気持ちはわかる。事務所に所属するというのは、見知らぬ相手に、自分の活動の一部を預けることだからだ。
先に言っておく。この記事は、「悪質な事務所の特徴10個」のようなリストではない。それは、もう山ほどある。僕が渡したいのは、リストを暗記しなくても自分で見抜ける、たった一つの問いだ。
「悪質な事務所の特徴10個」を、僕は出さない
「ライバー事務所 悪質 一覧」で検索すると、特徴を10個も20個も並べた記事が出てくる。ノルマが厳しい、違約金が高い、契約期間が長い、サポートがない。
どれも本当だ。でも、考えてみてほしい。その記事を書いているのは、たいてい、別のライバー事務所だ。
「悪質な事務所はこんなところ。だから、うちにおいで」。そういう構造になっている。
悪いとは言わない。でも、事務所が事務所を見分ける記事には、ひとつだけ、絶対に書けないことがある。
それは、事務所そのものが、あなたと利害のぶつかりうる相手だ、ということだ。
確かめることは、たった一つ。利害が、一致しているか
ノルマも、違約金も、取り分も、専属契約も、全部、もとをたどれば一つの問いに行き着く。
その事務所は、あなたの利益が増えるときに事務所も潤う設計か。それとも、あなたが我慢するほど事務所が得をする設計か。
この一点だけだ。
たとえば、取り分。あなたの投げ銭から事務所が引く割合があっても、あなたが稼ぐほど事務所も潤うなら、向きは揃っている。問題は、稼げていないあなたにノルマを課し、達成できないと罰する設計だ。これは、あなたの苦しさが、そのまま事務所の取り立てに変わる。向きが、逆になっている。
違約金も同じだ。辞めたいと思ったときに、高い違約金で引き止める。それは「あなたに続けてほしい」のではなく、「辞められると困る」という、事務所側の都合だ。
だから、契約のここだけ見ればいい
利害が一致しているかは、契約書の3か所でわかる。むずかしい法律用語は、いらない。
- 取り分(還元率)。あなたが受け取る割合はいくつか。残りは何に使われるのか。ここをはっきり説明できない事務所は、避けていい。
- 外部の仕事と、専属。他のアプリやイベント、自分の発信を、自由にやれるか。事務所を通さないと何もできない契約は、あなたの可能性を事務所の中に閉じ込める。
- 辞めるとき。契約期間はどれくらいか。途中で辞めたら違約金はあるか、いくらか。辞めた後に配信を禁止されないか。「入るとき」より「辞めるとき」の条件を、先に確かめる。
この3つを聞いて、はぐらかされたり、急かされたりしたら、それが答えだ。
ちなみに、僕のところはこうしている
えらそうに見分け方を語ったので、自分のことも隠さず書く。
僕がやっているのは、TikTokライブのライバーと一緒に活動する、小さな取り組みだ。条件は、こうしている。
所属するライバーから、手数料は取らない。一円も抜かない。そして、時給保証もしない。
手数料を取らないのは、あなたから抜くことで成り立つ商売にしたくないからだ。時給を保証しないのは、消えていくお金より、辞めた後も残る言葉を渡したいからだ。
外部の仕事も、自分の発信も、止めない。続けるのも、巣立つのも、あなたが選んでいい。強みは、もともとあなたの中にあるものだ。それを事務所が囲い込むのは、筋が違う。
これが唯一の正解だと言うつもりはない。ただ、利害が一致しているかを自分の言葉で説明できる事務所を選んでほしい。それが、たまたま僕でなくても、いい。
分からないまま、決めなくていい
スカウトのDMは、たいてい「今だけ」「早く返事を」と急かしてくる。でも、自分の時間を預ける相手を、急かされて決める必要はない。
契約書を見て、わからないところがあったら、誰かに聞けばいい。できれば、その事務所と利害のない相手に。
もし聞ける相手がいなければ、僕でいい。あなたが受け取ったスカウトの条件を、一緒に読む。うちに来てほしいからじゃない。あなたが、損をしない選び方をできるように。相談は、下のフォームから。1〜3営業日以内に、僕から直接返信する。
フォームが使いにくければ、メールでも受け付けている: contact@our-soil.com
この取り組みについて、もう少し詳しくは こちら に書いています。
最終更新: 2026年6月時点