中田 怜|合同会社アワーソイル 代表

合同会社アワーソイル代表・中田 怜(なかた りょう)。グローバルIT企業の教育部門で13年・4,000回超の研修登壇・200社超の対応を経て、2026年3月に独立しました。育休中に肌で感じたAI進化と、企業の現場で聞こえなくなっていた声を起点に、AI導入の失敗を立て直す一人法人を立ち上げています。新しいツールの導入や研修は売りません。止まってしまったAI活用を、もう一度動かす側に回りました。

なぜ「アワーソイル」を始めたのか:育休中に書斎で5時間

子供が産まれました。

育休に入ってから、毎晩寝かしつけが終わったあとの書斎で、5時間ぶっとおしでAIの進化を追っていました。生成AI、エージェント、機械学習。そこで起きていることが、これまで見てきた研修現場の景色とは、まるで違う速度で動いていたんです。

会社に戻ったとき、違和感は決定的になりました。

やれることの制限が多すぎる。業務そのもののノイズが多すぎる。そして、現場には聞こえなくなっている声がある。「AIで全部解決します」みたいな派手な言葉の隙間に、もっと根の深い課題が残っていました。

「もっと現場の聞こえない声に耳を傾けるべきだ」

そう感じて、アワーソイルを始めました。「Our Soil」は私たちの土壌です。土壌が良くないと、何を植えても育ちません。事業をやりながら、この名前は日に日にしっくりきています。

13年・4,000回・200社:教育の現場でやってきたこと

グローバルIT企業の教育部門で、13年。4,000回を超える研修登壇。200社を超える企業対応。

業種別の体感比率は、こんな感じです。

教育(学校・教職員)40%
IT30%
製造10%
金融10%
自治体・公共10%

教育40%が最大。これは僕の現在地に直結しています。学校の先生たち、特に教職員10名前後の研修で「アクセシビリティ」機能を紹介すると、その場でアイディアがどんどん溢れていく。今すぐにでも教室で試したい。そんな顔をする人たちと、何百回も向き合ってきました。

研修の規模は、最大が音楽関連の200人。最小は、たった1人のパーソナル。この振れ幅の中に、僕がやってきたことの本質があります

研修の終わったあと、別日のセッションで再会した受講者から、こう言われたことがあります。

「帰り道で、情熱が冷めなくて、閃いたことを実践してみたんで作品見てください」

この瞬間が、僕の仕事の核心です。情熱にスイッチを入れる。それさえできれば、あとは本人の中で続いていきます。「見せてくれる」こと自体が、信頼の証だったと思います。

逆に、参加することで達成感だけ得て、何も使わない人もいました。研修だけでは足りない。

「教える」から「使う」へ:AIエージェントで一人法人を回す半年

独立してからの半年で、僕がやってきたのは「教える」ではなく「使う」でした。

自社メディアを4本立ち上げました。ジャンルごとに約20〜80時間、AIエージェント抜きの自分の手作業時間を投下してきました。

並行してiOSアプリも作っています。妻が本当に必要だと言って依頼してきた育児用のアプリです。実際に使ってもらいながら、何度も修正しました。何が必要で、何がいらないのか。シンプルにする判断は、技術的な実装よりはるかに難しい。

AIエージェント(Claude Code)への線引きは、こう決めています。

自分の感性とマッチしているかどうか。それは、確認が必要です。

正しいプロンプトを投げても、意図が伝わり切らないことがあります。だから不安なことは何度も確認する。任せっきりにはしません。

「教える」と「使う」は、別の技能です。13年4,000回教えてきた人間が、今は自分で実装する側にいる。この二つを同時に持っていることが、アワーソイルの仕事の出発点になっています。止まったAIを立て直すのに、教える技能と使う技能の両方がいるからです。

売らないと決めたもの:研修サービスを商品化しない理由

13年・4,000回の研修登壇という経歴がありますが、研修サービスを商品として売らないと決めました。

理由はシンプルだ。

1人で運営している。複数の事業を動かしている。だから、研修は得意な業者に任せたほうがいい

加えて、研修だけでは現場は変わらない、という確信があります。参加することで達成感を得て、何も使わない人を、僕は何百人も見てきました。研修は、出発点に過ぎません。実装まで踏み込まないと、現場には届かない。

だから僕は、教えるのではなく立て直す側に立っています。お客様が「ご自身でやれる状態」になるまで、伴走します。研修クレデンシャルを持っている人間が研修を売らないこと自体が、アワーソイルが何を大事にしているかの、いちばんわかりやすい答えだと思っています。

「できた」から「あんなことも」へ:仕事の作り方

いちばん大事にしているのは、「できた」から「あんなこともやりたい」が生まれる瞬間です。

すぐに完璧にすることは不可能です。試行錯誤しなければ、誰も成長できません。だから、お客様には試行錯誤の仕方長期目線での運用方法をお伝えしています。一回の納品で関係が終わるのではなく、お客様自身が次の一歩を踏み出せる状態にする。

そして、ここが核です。

依存を生まない。これは引き離すという意味ではなく、自信を持ってもらう、という意味です。

これがアワーソイルの「絶対に変えないもの」。完璧な答えを渡して感謝してもらうより、試行錯誤できる地面を一緒に整えるほうが、長く効きます。土壌の話に戻ってきました。

アーティスト・クリエイターへの個別の答え

20代の頃、音楽をやっていました。ローンで買ったMacbook 1台とギター1本で、海外のレーベルからリリースオファーをもらったこともあります。

だから、アーティストやクリエイターがWebで一番損していることが、痛いほど見えます。

Webサイトが派手すぎて、アーティストの想いが見えなくなっている。これが第一の損失です。

そしてLLMOの時代です。ミュージックサービスでは「再生数ではなく再生した人数」が問われるようになり、検索の主戦場はAIに移りました。「3ピースで元気になれるパンク」「癒される歌声のシンガーソングライター」。AIに、こういう自然言語で探されたとき、自分の作品がそこに含まれているかどうか。これが、これからのアーティストの勝負になります。

別ブランドとして「Our Soil for Creators」を準備しています。信じている感覚を大切にしている方に、届けたい。時代に合わせて作品を曲げるのではなく、自分の感覚で作ったものを、AIに正しく見つけてもらう設計を一緒にやります。

ただし、ひとつだけはやりません。フォロワー獲得アドバイスとマネタイズ煽り。これだけは、絶対にしない。

略歴

1984北海道江差町に生まれる
2002江差高校卒業・札幌へ
2002–2007フリーター・バンド活動を経て、専門店でバリスタ4.5年
2007頃バンド解散後、ローンで買ったMacbook 1台で実験的アンビエントを録音。海外レーベルからリリースオファー
2013グローバルIT企業の教育部門に入社
2013–202613年・4,000回・200社の研修登壇
2026.03.30合同会社アワーソイル設立

よくある質問

中田さんに依頼できることは何ですか?

AI導入の立て直しが中心です。死蔵・形骸化・炎上したAI活用を、診断・立て直し・再設計・伴走の4段階で再生します。新しいツールの導入や研修は売りません。まずは診断から入り、料金は内容に応じて個別にお見積りします。詳しくは「できること」をご覧ください。

なぜ研修登壇13年4,000回の経歴がありながら、研修サービスを売らないのですか?

1人で複数の事業を動かしている運営構造の問題と、研修だけでは現場が変わらないという確信があるからです。実装まで踏み込みます。詳しくは本ページの「売らないと決めたもの」を参照してください。

アワーソイルと「Our Soil for Creators」は別物ですか?

中小企業・士業・個人事業主向けが本体のアワーソイル、アーティスト・クリエイター向けがサブブランドの「Our Soil for Creators」です。痛みの言語が違うので、ブランドを分けています。

連絡方法は?

contact@our-soil.com までメールをいただければ、代表が直接拝見します。

対応できる案件数はどれくらいですか?同時に何社まで動かせますか?

立て直しは同時に2〜3社まで、継続の伴走は月に1〜2件が上限です。お問い合わせから着手までは、2〜4週間ほど見込んでください。一人運営で続けることを優先しているので、無理は引き受けません。

最終更新: 2026年6月時点