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AI導入の補助金、2026年は何が使えますか

「補助金で生成AIを入れられるらしい」。そう聞いて調べ始めたら、制度の名前は変わっているし、ブログごとに書いてある補助率も金額もばらばらで、どれが本当か分からなくなる。そういう状況でこのページにたどり着いたなら、この記事はあなたのために書いた。

先に、答えの方向だけ置いておく。AIの導入に使える国の補助金の中心は、2026年に「デジタル化・AI導入補助金2026」へ名前が変わった制度だ。ただし対象は「AIを含むITツール」で、事務局に登録されたツールに限られる。数字は公式で確認しながら、取る前に「使い切れるか」を先に考えたい。裏づけになる数値は、このあとの章で出典つきで出す。

ひとつ先に断っておく。旧「IT導入補助金」で検索すると、去年までの古い情報に当たることがある。この記事は、現行の公式資料に基づいて書いている。そして「もらえます」と煽る記事は多いが、ここでは公式に書かれていることだけを、対象にならないものも含めて正直に書く。

なお、この記事は2026年7月時点の内容だ。中小企業庁と、デジタル化・AI導入補助金2026事務局の公式ページで確認した内容に基づいている。

IT導入補助金はなくなったのですか

旧名で調べていた人が、まず引っかかるのがここだ。名前が見当たらないと「終わったのか」と不安になる。先に、その混乱を解いておく。

2026年から「デジタル化・AI導入補助金2026」に名前が変わった

なくなっていない。中小企業庁が「令和7年度補正予算事業から、『デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)』と名称を変更しました」と公表している(公表は2026年3月10日)。名前が変わっただけで、中小企業のITツール導入を支援する制度は続いている(出典:中小企業庁、2026年7月時点)。

だから旧名の古い情報に気をつける

旧「IT導入補助金」で検索すると、去年までの補助率や締切に当たることがある。補助金は年度で数字が変わるので、いまは新しい名前の公式ページで確認するのが確実だ。金額の話はこのあとの章でまとめるが、その数字も「いつ時点のものか」を必ず見てほしい。

AI導入に使える補助金は何ですか

全体の地図を先に渡しておく。AIを入れたいときに名前が挙がる国の補助金はいくつかあるが、目的も規模もばらばらだ。ごちゃまぜにすると迷うので、本命を1つ決めてから見ていく。

本命は「デジタル化・AI導入補助金2026」

中小企業がAIを入れるときの中心は、この制度だ。中小企業庁は「中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、デジタル化やDX等に向けたAIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援します」と書いている。何が対象で、何が対象でないかは、次の章でくわしく見る(出典:中小企業庁、2026年7月時点)。

大きな省力化や、自社専用開発なら別の器もある

まず安く生成AIを試したいなら、本命の一択でいい。ただ、IoTやロボットも含めて大きく省力化投資するなら「中小企業省力化投資補助金」、市販ツールではなく自社専用のAIシステムを開発するなら「ものづくり補助金」という、別の目的の器もある。どちらも規模が大きく重いので、この記事では名前と位置づけだけ触れ、くわしくはあとの章でまとめる。金額はそこでも断定しない。理由は、公式の公募要領で確かめるべき数字だからだ。

生成AIは補助金の対象になりますか

ここがこの記事でいちばん大事なところだ。名前に「AI」が入っているぶん、多くの人が同じ勘違いをする。事実を先に知っておくと、無駄足を踏まずにすむ。

公式が対象とするのは「AIを含むITツール」まで

名前に「AI」が入っているので、生成AI専用の補助金だと思いがちだ。でも公式が書いているのは「AIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)」まで。「生成AIツールなら必ず対象」とは、公式のどこにも書かれていない。ここは言葉どおりに受け取るのが安全だ(出典:中小企業庁、2026年7月時点)。

対象は事務局に登録されたツールに限る。支援事業者と組む

しかも対象になるのは、事務局があらかじめ審査して登録・公開したITツールに限られる。そして申請は、登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで進めるのが基本だ(複数者連携枠を除く)。市販の好きなツールを、自由に選んで補助してもらう、という形ではない(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局、2026年7月時点)。

ChatGPTを自分で契約した費用が、そのまま出るわけではない

ここが、いちばん勘違いされる。自分でChatGPTを契約した月額が、そのまま補助されるわけではない。この補助金の対象は、事前登録されたツールの費用で、しかも汎用的な機能だけのソフトを単体で入れる使い方は対象外とされている(1種類以上の業務プロセスを持つソフトを申請する必要がある)。だから「ChatGPTの利用料は出ますか」への答えは、「自分で契約したぶんがそのまま出るわけではない。対象かどうかは公式の登録ツール一覧で確かめる」になる(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局、2026年7月時点)。

補助金はいくら出ますか

金額の話に入る。ここは数字が独り歩きしやすいので、通常枠の公式ページに実際に書いてある数字だけを、そのまま出す。他の枠の数字は混ぜない。

通常枠の補助率と補助額

通常枠の場合、公式ページには補助率「1/2以内、2/3以内」と書かれている(2/3以内は、一定の条件を示した場合だ。条件の詳細は公式で確認してほしい)。補助額は、導入する業務プロセスの数に応じて「5万円以上150万円未満」または「150万円以上450万円以下」。ネットでときどき見る別の補助率は、通常枠の公式ページには載っていないので、この記事では書かない(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局、2026年7月時点)。

対象になる経費

対象になるのは、ソフトウェアの購入費と、クラウドの利用料(最大2年分)が中心だ。ほかに、機能拡張やデータ連携、セキュリティのオプション、それに導入や活用のコンサル・設定・研修・保守といった役務も対象に含まれる(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局、2026年7月時点)。

なお、交付申請には「GビズID」の取得が必要になる(出典:中小企業庁、2026年7月時点)。

これらは2026年7月時点、通常枠の公募要領(更新日2026年5月15日)で確認した数値だ。他の枠(インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠)では条件が違う。そして制度は年度で改定されるので、自分が申請する回・年度の公募要領を必ず公式で確かめてほしい。

ただし「もらえる」と決まっているわけではない

数字を見て安心する前に、ひとつだけ。これは範囲や上限であって、申請すれば必ずこの額が出るわけではない。採択は審査による。「補助金で実質0円」と煽る記事もあるが、公式はそんな約束をしていない。だから、当てにして大きく動く前に、まず対象と条件を公式で確かめるのが順序だ。

締め切りはいつですか

締切も、旧名の情報に引っかかりやすいところだ。ここは「表で覚えない」のが正解になる。理由も含めて書いておく。

締め切りは回次制。表で覚えず、そのつど公式で見る

この補助金は、締切が回ごとに区切られている(回次制)。だから「◯月◯日が締切」と表で覚えても、次の回では変わる。現認できた具体を1つだけ挙げると、通常枠の3次締切は2026年7月21日17:00だ(確認日は2026年7月9日時点)。ただしこれ以降の回は、そのつど事務局の「事業スケジュール」で確かめてほしい。固定の締切表を、この記事ではあえて作らない。古くなって、誰かを間違わせるからだ(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局、2026年7月時点)。

もっと大きくAIで省力化したいときは、別の補助金がありますか

「本命だと規模が足りない」「もっと大きく投資したい」という場合もある。そのための器も一応あるので、名前と位置づけだけ渡しておく。ここでも金額の細目は断定しない。

中小企業省力化投資補助金(一般型)

IoTやロボットも含めて、大きく人手不足を解消する設備投資をするなら、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」という器がある。最大1億円を補助する制度で、公式は2026年4月16日に「一般型 生成AIを活用した事業計画例集」を公開している。つまり、国も生成AIを事業計画の一部として想定しているわけだ。第7回の応募受付は2026年7月1日に始まっている。ただしこれは「省力化のための設備投資」の器で、まず安く生成AIを試したい層には重い。補助率や上限の細かい数字は、公募要領で確認してほしい(出典:中小企業省力化投資補助金(一般型)、2026年7月時点)。

自社専用のAIを開発するなら、ものづくり補助金

市販ツールを入れるのではなく、自社専用のAIシステムを開発するような場合は、「ものづくり補助金」(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)という器もある。革新的な新製品・サービス開発や設備投資に向いた制度で、第23次の公募は2026年2月6日から5月8日17:00までだった。金額は公式の公募要領で確認すべき数字なので、この記事では書かない。市販の生成AIを社内に入れたい人の主対象ではない、という位置づけだけ押さえておけばいい(出典:中小企業庁、2026年7月時点)。

補助金のことは誰に相談すればいいですか

制度の地図が見えても、「自分の会社が対象になるか」は、この記事だけでは決められない。ここは、相談先を正しく選ぶことのほうが大事だ。

無料で相談できる公的窓口がある

補助金を申請させたいベンダーに相談すると、話がそのツールへ寄りやすい。売り手と利害のない相手に、無料で相談できる窓口が国の側に用意されている。中小機構のIT経営サポートセンター(オンライン面談・無料)と、全国のよろず支援拠点(無料の経営相談)だ。まずここで壁打ちしてから決めても、遅くない(出典:中小機構 IT経営サポートセンターよろず支援拠点、2026年7月時点)。

申請の可否や書類は、専門家か事務局へ

ひとつ線を引いておく。「自分の会社が対象になるか」「この書類でいいか」といった個別の判断は、この記事の役割ではない。申請代行や要件の判定、書類の作成は、行政書士などの専門家の仕事だ。制度そのものの疑問は事務局(0570-666-376)へ、申請の可否は専門家へ。ここは記事が代われないところなので、正直に外へ渡しておく。

補助金で入れたAIほど、死蔵しやすい

ここからは数字ではなく、僕が立て直しの現場で繰り返し見てきたことを話す。

補助金で入れたAIほど、いつのまにか死蔵しやすい

補助金で入れたAIは、なぜか使われなくなりやすい。理由はシンプルで、稟議の主役が「予算を取ること」になり、取ったあとに「どう使い切るか」の設計が薄くなりがちだからだ。締切に間に合わせて導入だけ済ませ、現場に馴染む前に、誰も開かなくなる。これは特定のどこかの会社の話ではなく、立て直しの現場で何度も見てきた、同じ形のつまずきだ。

取る前に「使い切れるか」を先に考える

だから、補助金を取る前に「これは本当に毎日使うか」「誰が使い方を残すか」を先に考えておくだけで、死蔵はかなり防げる。取ること自体が目的にならないようにする。それだけで、同じ補助金がずっと生きた投資になる。

もし「補助金で入れたけれど、もう使っていない」の側に来てしまったら。解約したら返還になるのか、手続きはどうなるのかは、補助金で入れたAIツール、解約したら返還ですかに分けて書いた。取得後の話はそちらに譲り、この記事では手続きの詳細には踏み込まない。

よくある質問

最後に、この記事に関わるよくある質問をまとめておく。

Q. AI導入に使える補助金は何ですか

中小企業がAIの導入に使える国の補助金の中心は、2026年に名前が変わった「デジタル化・AI導入補助金2026」(旧・IT導入補助金)だ。中小企業庁は、この補助金でAIを含むITツールの導入を支援すると公表している。ほかに、大きな省力化投資に使う「中小企業省力化投資補助金」などもあるが、目的や規模が違う。(出典:中小企業庁

Q. 生成AIは補助金の対象になりますか

公式が対象としているのは「AIを含むITツール」であって、「生成AI専用の補助金」ではない。しかも対象になるのは、事務局にあらかじめ登録されたITツールに限られ、登録された支援事業者と組んで申請するのが基本だ。だから「生成AIなら何でも対象」とは言えない。(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局

Q. ChatGPTの利用料は補助金で出ますか

自分でChatGPTを契約した費用が、そのまま補助されるわけではない。この補助金の対象は、事務局に事前登録されたITツールの費用で、汎用的な機能だけのツールを単体で入れる使い方は対象外とされている。対象かどうかは、必ず公式の登録ツール一覧で確かめてほしい。(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局

Q. IT導入補助金はなくなったのですか

なくなっていない。2026年(令和7年度補正予算の事業)から「デジタル化・AI導入補助金2026」に名前が変わった。旧「IT導入補助金」で検索すると古い情報に当たることがあるので、いまは新しい名前の公式ページで確認するのがいい。(出典:中小企業庁

Q. 補助金はいくら出ますか

通常枠では、公式ページに補助率「1/2以内、2/3以内」、補助額は業務プロセスの数に応じて「5万円以上150万円未満」または「150万円以上450万円以下」と書かれている(2026年7月時点)。ただしこれは範囲や上限であって、申請すれば必ずこの額がもらえるわけではない。金額や条件は申請回・年度で変わるので、自分の申請回の公募要領を公式で確認してほしい。(出典:デジタル化・AI導入補助金2026事務局


本記事は2026年7月時点の内容だ。引用した数値・文言は、中小企業庁と、デジタル化・AI導入補助金2026事務局などの公式ページに基づいている。補助金は改定が速いので、申請する際は必ず最新の公募要領を公式で確認してほしい。

最後にひとつだけ。補助金で入れるにしても、入れる前に「これは本当に使い切れるか」を一度見ておきたい。それでも、すでに会社に入れたAIが、いつのまにか止まっているなら。急いで作り直す前に、まずどこで止まったのかを見るところから始められる。死蔵AIセルフ診断は、15問に答えるだけで、いまの状態に名前がつく。無料で、登録もいらない。

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